地下水のお話
(2021年09月14日)
こんにちは。尾鍋組の大石です。
今回は地下水のお話です。
この間、Youtubeで東京駅が地下水の影響で浮き上がらないように、強力なアンカーを130本打ち込んだという話をみました。
昔は地下水のくみ上げすぎによる地盤沈下が問題となっていましたが、最近は逆に、そのくみ上げを規制したことで、回復した地下水への対策が必要になっているようです。
地下水の回復はいいことなのですが、悩ましいですね。。。
そもそも地下水をくみ上げすぎると地盤が沈下する理由はご存じですか?
その理由には水圧が関係しています。
土は、土粒子という粒子とその土粒子の隙間にある水と空気の3つの要素からできています。
そして、地下水位より深いところでは、この隙間が水で満たされていますので、外力に対して水圧が発生します。
例えば下の図のように、地盤を地下水位面で上下の2層に区切ったとすると、下にある層は上の層を支えていることになります。
このとき、上層からの重さに対して、下層の土は地下水で満たされているので、土粒子と水による二つの力が働いて支えます。この水の力が水圧です。
ここで、地下水位が急激に低下すると、土粒子と一緒に働いていた水の力(水圧)がなくなり、下層が上層を支えられなくなるので、地盤沈下が発生します。
ところで、地下水位は人工的に組み上げなくても、年間を通して自然に変動しています。
日本は雨がたくさん降る梅雨の時期から水位が高くなっていき、台風シーズンが終わると冬にかけて降水量が減るので、地下水位は低くなります。
その水位差は地域によって様々ですが、年間で数メートルあるするそうです。
(引用;https://www.city.azumino.nagano.jp/uploaded/attachment/1379.pdf)
年間を通しての緩やかな変化なので、荷重の小さい戸建て住宅では影響が少ないですが、重い構造物を建てる時や、新たに厚く盛土をした土地では、水位の高い夏に設計して問題がなくても、水位が下がった冬に沈下したなんてことが起きないとも限らないので、注意していきたいですね。
ではまた!
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