夏休みの自由研究にいかがですか?
(2022年07月19日)
こんにちは。尾鍋組の大石です。
もうすぐ夏休みですね。今回は「土」を使った簡単な実験をご紹介します。
必要なものは100円ショップで揃うので夏休みの終盤になって、自由研究にお困りでしたらぜひ試してみてください。
【実験の目的】
土は「土粒子」「水」「空気」の3つの要素から出来ています。別々の場所で採取した土に対して、これらの3要素の割合を調べてみましょう。
【用意するもの】
・コップ 2個(同じ大きさの透明の使い捨てコップ)
・紙皿 1枚(砂を乾かす作業で使用)
・はかり
・コップ1杯分の砂と水
※砂っぽい土を使用した方が乾燥させやすいので、実験しやすいです。
※いろいろな場所の砂(砂浜、グラウンド、公園の砂場など)を比べてみるとよりいいです。
・定規みたいなもの(コップの上端で土を擦切るために使用)
・マドラーみたいなもの(土と水を混ぜるために使用)
・はけ
【実験手順】
(1) コップの重さを量る。
(2) 用意した砂と水をそれぞれコップに満タンにして重さを量る。
砂を入れる時は、コップを少し高い位置から落下させて、隙間なく砂を入れ、最後にコップの高さに合わせて定規を使って擦切ります。
砂
水
(3) 計量した砂を紙皿に移し、電子レンジで乾燥するまで加熱する。
乾燥が甘いと結果に影響しますので、しっかり乾燥させます。※やけどに注意
乾燥前
乾燥後
(4) 乾燥した砂をそれぞれのコップに移し、重さを量る。
紙皿から一度ビニール袋に移して、ビニール袋の底の角をハサミで切り、その穴からコップに戻すとやりやすいかな。
水分が飛んで嵩が減ります
(5) 乾いた砂が入っているコップに水をゆっくり入れる。
このときマドラーでゆっくり混ぜながら入れると、全体に早く水が浸透します。
(6) 水を入れ終わったら、重さを量る。
(7) 計量結果をまとめて、採取した砂の3要素の重さや体積などを計算する。
【計量結果】
手順 | 重さ | 砂 | 水 |
---|---|---|---|
(1) | コップ | 5g | 5g |
(2) | コップ+砂(or水) | 318g | 224g |
(4) | コップ+乾燥した砂 | 300g | |
(6) | コップ+水で満たした砂 | 399g |
【計算表1 各状態での質量】
状態 | 計算式 | 砂 | 水 |
---|---|---|---|
元の砂 | ⑵-⑴ | 砂A 313g | 219g |
乾燥した砂 | ⑷-⑴ | 砂B 295g | |
満水にした砂 | ⑹-⑴ | 砂C 394g |
各状態の質量構成のイメージ図
(クリックすると拡大されます)
【計算表2 密度・含水比・間隙比】
計算式 | 砂 | |
---|---|---|
乾燥前の砂の密度 | 砂A÷水の質量 | 1.43g/cm3 |
乾燥後の砂(土粒子)の密度 | 砂B÷土粒子当たる水の質量 | 2.45g/cm3 |
含水比 | (砂A―砂B)÷砂B×100 | 6.1% |
間隙比 | 間隙に当たる水の質量 ÷土粒子に当たる水の質量 | 0.83 |
水の密度=1.0g/cm3です。そのため、使用した容器の体積=219cm3です。
含水比:土の中の「水の重さ」と「土粒子の重さ」の比
間隙比:土の中の体積の内、「間隙(水と空気)の体積」と「土粒子の体積」の比
土粒子の密度は約2.5g/cm3です。乾燥前の砂の密度と乾燥後の砂の密度の差が小さければ、土粒子が多く、間隙比が小さくなります。
自然状態の土の含水比は、砂質土では5%~30%、粘性土では30%~80%程度です。土粒子の粒径が細かいほど大きな含水比を示します。
ではまた!
スタッフブログ
←環境賞!
梅仕事→